小さな会社・採用のルール[書評]
おすすめしたい人:
本書は、4W1Hを基にした採用戦略のフレームワークを具体例を通じて学ぶことができます。自社の採用戦略を根本から見直したい方におすすめな一冊となっています。
特に採用シーンを限定して話している本ではなく新卒、中途、パート・アルバイトまで応用可能な話の内容です。ただし既に採用戦略を以下に書くような、経営(営業・マーケティング)戦略と同じ様に捉えることができている方には必要ない可能性が高いです。まだこういった視点から捉えたことが無い方にもとてもおすすめな一冊です。
ピックアップ:
本書のおすすめな箇所を1つ紹介します。
経営戦略を練る際には、
- 誰に=who
- どこで=where
- 何を=what
- どう=how
売るか? と分解して考えます。
本書は採用戦略を練る際にも同じことだと示してくれます。
具体的には…
- who=欲しい人材は仕事に対してどんな思いを持ち、どんな能力を持っていている人か?
- where=欲しい人材はどこに住んでいる人か?
- what=欲しい人材が魅力的に感じる内容(採用条件、アピールポイントなど)は何か?
- how=欲しい人材へどういった方法で宣伝するか?
というように置き換えて考えることができるのです。
特に、
- ターゲット像=who&whereをできるだけ細かく設定する
- 伝える内容=what・方法=howを他社と差別化する
ことが重要だと述べられています。
概要:
本書の内容は大きく3つに分けられます。
1,2章:
- 人手不足の現状
- 求職者に重視されているポイント
など2019年時点での人材採用のトレンドについて説明されています。
3,4章:
など本書の核となる部分です。
5章:
- 社員に長く働いてもらうための人材戦略と事例
著者:
著者は佐藤元相氏。NNA株式会社代表取締役。コンサルタントとして1300社以上の指導実績を持つ方です。
監修者は竹田陽一氏。ランチェスター経営株式会社代表。会社名通りランチェスター戦略についての多くの書籍出版や講演をされています。
感想:
前述の「おすすめしたい人」での記述について補足します。本書は「ランチェスター戦略の採用へ応用」が趣旨なのですが、その具体事例を見るとやってることはほぼ全てポスティング広告です。表面的に読んでしまうと本書の主張は「採用に行き詰まってたらポスティング広告をやろう」に収まってしまいます。
さらに深堀りすることで違うものが見えてきました。これに気づいた時、「採用も結局営業とかとと同じなのか。おもしろ〜」となりました(笑)
それが「4W1Hを基にした採用戦略のフレームワーク」です。これは私が本書の事例を抽象化させて考えた文言であり、直接本書の中でこの文言が出て来るわけではありません。ですが、これこそ本書の最重要ポイントだと考えたため今回はこのような形で紹介させて頂きました。このフレームワークを頭の隅に置きながら具体事例を読んで頂くと理解しやすくなるはずです。
ご購入の際は以上の点を理解した上でお願いします。
以上、小さな会社・採用のルールの書評でした。
米田
「最高の人材」が入社する採用の絶対ルール [書評]
おすすめしたい人:
本書は採用の世界で常識だとされている考え方のうち企業にとっても求職者にとってもマイナスになるものをピックアップして指摘し、その改善策を述べていく対比構造で話が進んでいきます。全体編、募集編、選抜編、フォロー編、現状編と採用を進めていく段階ごとに分けて記載されているため、採用の流れに沿って理解していくことができます。図やイラスト、行間の幅、アンダーラインなどデザイン性も良く読みやすいです。「とりあえず採用に関する本を一冊読んで採用について理解を深めたい」という方のような入門編を求めている方におすすめな一冊です。
ピックアップ:社風
本書の中で私がおすすめしたい箇所を1つ紹介します。
おすすめしたい箇所は、求職者に社風を伝えることの重要性を説いた部分です。実は社風理解が高まるほど入社意欲が高まるということが、著者の求職者を対象とした調査結果からわかりました。企業の社風を理解した上で応募してくる求職者は既に企業の社風とマッチしている可能性が高く、入社後はお互いがスムーズに馴染むことができます。これだけでも社風を伝える重要性は理解できます。
さらにもう1つ社風を伝えることで得られるメリットが存在します。それはアンマッチを事前に防げることです。アンマッチは両者が両者に合わせるために適応コストがかかってしまい、お互いが損をする誰も望まないものです。このように募集段階で事前に社風を伝えることは、自社に合っている求職者はより入社意欲が高くなり、合っていない求職者には入社前に自社とマッチしてないと気づいてもらえる、といった二重のメリットがあるのです。
以上が私のおすすめ箇所です。
概要:
前述の通り5つの章に分かれます。
1章、全体編:採用活動の心得
2章、募集編:求職者を集める
3章、選抜編:応募者から選ぶ
4章、フォロー編:内定辞退を防ぐ
5章、現状編:自社課題を見つける
著者:
著者は釘崎清秀氏と伊達洋駆氏の2名。それぞれ株式会社パフ代表取締役、株式会社ビジネスリサーチラボ代表取締役を務める。
感想:
社風以外には、章のはじめにその章で取り上げる段階(募集や選抜など)の主な流れを企業側・求職者側に分けて図解されており、その段階でやるべきことが明確化されているため参考になりました。
ですがこの本が1番良かったのは、
- 旧常識⇔新常識の対比
- 賞を採用段階ごとに分解
- 色、空白、図、イラストを取り入れた高いデザイン性
によりとても読みやすいことです。
もちろん内容も良かったですが、「デザイン性を上手く取り入れるだけで本ってこんなに印象や理解のしやすさが変わるんだなぁ」と驚いたのが今回の1番の感想です(笑)
LINE採用革命! [書評]
おすすめしたい人:
本書では基本料金無料から始められ、大きな効果も期待できるコスパ最強のツールが紹介されています。
「大手求人媒体に掲載コンテンツ量を増やすオプションを付けて掲載しているがいまいち手応えがない」
「説明会・内定などの辞退率が高く悩んでいる」
といった課題を感じている方におすすめな一冊です。
主に新卒採用を想定して説明されていますが、中途採用にも適用できると著者は述べています。特にYouTubeを採用に活用することに関して言及しているのは私が知る中で現状この一冊のみなので、会社としてYouTube活用を考えている方は必見です。
ピックアップ:
本書のおすすめな箇所を1つ紹介します。
YouTube、つまり動画には、
- 文字・写真を超えた圧倒的な情報量を伝えられる
- 文字・写真では伝えられない細かなニュアンスまで伝わる
といったメリットがあります。
他には、参入している企業がまだ少ないというのもメリットです。Googleで「札幌 求人」と検索すると沢山の求人情報がヒットします。ですがYouTubeだとヒットする求人動画はほぼ無く、自社チャンネルを開設し企画・編集まで作り込まれた動画に至ってはありません。
求人動画をつくるというと、どうしても以下の動画のような「カッコいい動画」を想像してしまいます。
ですが本書では、このようなプロに依頼した「カッコいい動画」は中小企業は避けるべきだと主張されています。
理由は、
- 一本の制作費が高くなり動画の本数が減るから
- 伝える情報はカッコよさよりリアルさが重要だから
です。
カッコいい動画は「作ってはいけない」というより「作るべきものを作った後に余力があれば作るべき」ということなのでしょう。
1番手軽に取り組める例として本書で取り上げられていた「軽貨物配送業のアート・プラドライバーで独立しよう」さんを紹介しています。
このような動画の場合、初期費用はほぼかかりません。
スマホと約2000円から売っている三脚で始めることができます。
さらに本格的にやるのであれば、HiragaTVさんが参考になります。
スマホと三脚に加えて、約1000円から売っている外部マイク、約5000円から売っている撮影用ライト、約1000円から売っている手ブレ補正のためのジンバルなどを加えます。
動画編集も必要になってきます。カット&文字起こし程度であれば社内で行うこともできなくはないです。ただ基本は外部にお願いする形になると思います。
相場については以下の動画で解説されています。動画編集者向けの動画ではありますが、発注者側としても理解できる内容です。
以上が本書のおすすめ箇所です。本書ではより詳細にYouTube活用方法について言及されています。
概要:
本書は大きく5つに分けられます。
1,2章:
- 中小企業の採用活動の現状把握
- 自社の採用活動チェックポイント
3,4,5,6章:
- LINE以外のSNSツールの使用方法
- LINE活用のコツと成功事例
と、LINE活用について言及されている本書のメインです。
7,8章:
- 自社採用サイトの使い方
- YouTubeの活用方法
と、私がおすすめする箇所です。
9章:
- オンライン採用のやり方
著者:
著者は斎藤元有輝氏。LINE活用の専門家として全国各地でLINEビジネス活用セミナーに登壇されている方です。
感想:
現時点で10冊ほど採用本を読んできているのですが、多くの本が「何を伝えるか」というWhatに焦点を当てているのに対して、本書は唯一「何を使って伝えるか」といったHowに焦点を当てている本だったのが良かったです。
おすすめ箇所では挙げませんでしたがタイトルにもある通りLINE活用についての箇所もおすすめです。連絡手段をメールからLINEに変えることでコミュニケーションが充実し採用が上手くいくという内容でした。
LINE公式アカウントの説明はこちらのリンクから見れます。
本書で取り上げられているLINEとYouTubeはまだ導入している企業は少なく導入することで先行者利益を得られるはずです。同時に新しいことにチャレンジしている会社というイメージもつけることができますね。何より1番のメリットはコストに対するリターンがとても大きいことです。どちらも導入費用はほぼ0円であり時間もそこまで取られません。
にも関わらず、
- コミュニケーションの質と量の向上
- 伝える情報の質と量の向上
という大きなリターンが見込めるのです。
現状、企業のYouTubeチャンネル運営は一部の企業のみが行っているだけですが、私はこの先、今の殆どの企業が持っている自社ホームページのように、この先殆どの企業が自社YouTubeチャンネルを持つ時代が来ると思っています。全ての企業がYouTuberのように広告収益を目的として毎日更新するというより、定期的に自社チャンネルに商品情報や営業動画、採用動画などを上げるような形の運用をしているイメージです。ぜひ私の予想的中の為にも本書を読んだ上でYouTubeチャンネル立ち上げて頂きたいです(笑)
以上、LINE採用革命!の書評でした。
米田