「最高の人材」が入社する採用の絶対ルール [書評]

「最高の人材」が入社する採用の絶対ルール

「最高の人材」が入社する採用の絶対ルール

 

おすすめしたい人:

本書は採用の世界で常識だとされている考え方のうち企業にとっても求職者にとってもマイナスになるものをピックアップして指摘し、その改善策を述べていく対比構造で話が進んでいきます。全体編、募集編、選抜編、フォロー編、現状編と採用を進めていく段階ごとに分けて記載されているため、採用の流れに沿って理解していくことができます。図やイラスト、行間の幅、アンダーラインなどデザイン性も良く読みやすいです。「とりあえず採用に関する本を一冊読んで採用について理解を深めたい」という方のような入門編を求めている方におすすめな一冊です。

 

ピックアップ:社風

本書の中で私がおすすめしたい箇所を1つ紹介します。

 

おすすめしたい箇所は、求職者に社風を伝えることの重要性を説いた部分です。実は社風理解が高まるほど入社意欲が高まるということが、著者の求職者を対象とした調査結果からわかりました。企業の社風を理解した上で応募してくる求職者は既に企業の社風とマッチしている可能性が高く、入社後はお互いがスムーズに馴染むことができます。これだけでも社風を伝える重要性は理解できます。

さらにもう1つ社風を伝えることで得られるメリットが存在します。それはアンマッチを事前に防げることです。アンマッチは両者が両者に合わせるために適応コストがかかってしまい、お互いが損をする誰も望まないものです。このように募集段階で事前に社風を伝えることは、自社に合っている求職者はより入社意欲が高くなり、合っていない求職者には入社前に自社とマッチしてないと気づいてもらえる、といった二重のメリットがあるのです。

 

以上が私のおすすめ箇所です。

 

概要:

前述の通り5つの章に分かれます。

 

1章、全体編:採用活動の心得

2章、募集編:求職者を集める

3章、選抜編:応募者から選ぶ

4章、フォロー編:内定辞退を防ぐ

5章、現状編:自社課題を見つける

 

著者:

著者は釘崎清秀氏と伊達洋駆氏の2名。それぞれ株式会社パフ代表取締役、株式会社ビジネスリサーチラボ代表取締役を務める。

 

感想:

社風以外には、章のはじめにその章で取り上げる段階(募集や選抜など)の主な流れを企業側・求職者側に分けて図解されており、その段階でやるべきことが明確化されているため参考になりました。

ですがこの本が1番良かったのは、

  • 旧常識⇔新常識の対比
  • 賞を採用段階ごとに分解
  • 色、空白、図、イラストを取り入れた高いデザイン性

によりとても読みやすいことです。

もちろん内容も良かったですが、「デザイン性を上手く取り入れるだけで本ってこんなに印象や理解のしやすさが変わるんだなぁ」と驚いたのが今回の1番の感想です(笑)